肉料理とはちみつ
はちみつは、その成分の約80パーセントが糖分で、しかもそのほとんどがブドウ糖と果糖です。ブドウ糖と果糖は、高い浸透性が特長です。この浸透性という特長を料理に生かしたものが、はちみつを肉料理に使うという方法です。
肉料理の味付けにはちみつを用いると、お肉が柔らかく、ジューシーに仕上がるのは、はちみつが肉の組織内に浸透し、肉の収縮を抑える働きをするからです。また、はちみつの糖分がカラメル化し、肉の表面をすばやく焼き固める作用があります。そのために肉汁が逃げ出さずにジューシーに仕上がるのです。
たとえば、照り焼きチキンのあの甘辛いタレ! あの甘みを出すのに、砂糖の代わりにはちみつを使ってみてください。ぱさつきがちな鶏肉がジューシーでやわらかく仕上がります。
そのほか、酢豚にもはちみつはぴったりです。天然のはちみつの自然な甘さは、お料理にすっきりとした味わいとコクをプラスしてくれます。
はちみつは、どの花の花みつから集められたものかで独特の味わいと風味が変わってきます。たとえば、照り焼きチキンには、穏やかな味わいの「アカシアのはちみつ」はいかがでしょう? アカシアのはちみつは、クセが少ないのでさまざまな料理に安心して使うことができます。
また、酢豚には、コクのある「そばのはちみつ」を使ってみるのもいいですね。そばのはちみつは、特の風味があり、黒砂糖のような色をしているはちみつです。
さまざまにはちみつを変えるだけでも料理の幅がぐんと広がります。